巌窟王 1
見てもいないドラマを駄作と決め付けたり、読んでもいない小説を酷評したりは痛々しいと思ってしまうので、自分では絶対にやらないようにしています。なるべく偏見を除外して間口を広げるよう心がけているため、嫌いな某国の作品でも「
猟奇的な彼女」のように結構気に入ってしまうものもあったりします。
巌窟王は、世界的に超有名な古典文学、モンテ・クリスト伯を原作としています。
(作者のアレクサンドル・デュマはナポレオン配下デュマ将軍の息子です。実はモンテ・クリスト伯にも、ナポレオンが深く関わっています。他の有名作品は三銃士など)
アニメというと、子供向けやオタク向けと思われてあまり良いイメージがありませんが、そもそもモンテ・クリスト伯は
子供に理解出来る話ではないですし、この濃厚な復讐劇から“萌え要素”などを見出すのは至難の業だと思われます。
……まあ、知人の女性は「
伯爵萌え」とか言ってましたけど(爆)
ストーリーを伝える表現媒体が“アニメ”という形をとっているだけで、面白いものは面白いですからね。「しょせんアニメ」と敬遠する人たちに見せて、どっぷりはまっていく姿を見て楽しんでいます。音楽とかでもそうだけど、固定イメージで疎外してしまっては、あまりにもったいないです。宮崎説教アニメばかり神聖化するのは(・A・)イクナイ!!
巌窟王は多くの賞を受賞しています。評価されていることは喜ばしいですが、この作品はアニメという狭い枠の中でしか語られないのがもったいないです。ここ数年見た映画やドラマの中で、これに匹敵するほどのパワーを持った作品は…白い巨塔くらいしか思いつきません。しかし巌窟王の世間的な知名度を考えると…。「
ただ……無念だ!」(←それ言いたかっただけだろう!?)
私は中盤以降見るのがやめられなくなって、18話で頭ん中真っ白になりました。鳥肌がたって、周りが何も目に入らなくなって、時間が経つのも忘れて、、なかなか経験出来ることじゃないです。
場面場面を盛り上げる、クラシックを基調とした音楽が素晴らしく、特にラスト→エンディング→次回予告の繋ぎが神懸かっていることでも有名です。
プロモーション映像を見れば、質の高さが分かっていただけるかと。途中からエンディング曲が流れますが…ジャン・ジャック・バーネルですよ(笑) 何なんですか、その選曲眼の良さは。
DVD全12巻、全て初回限定版で揃えました。長かった……そして財布が泣いていた(笑)
1巻2話で6千円近くは高すぎです。それでも私は買う価値があると思ったから買ったわけですが…。
買って見てくれとは言わないけど、是非6巻くらいまで一気にレンタルして見てみてください。TSUTAYAみたいなちゃんとした店なら置いてあると思います。
こういうクールでデザインセンスの良い作品が増えて欲しいものです。
絵的なセンスだけじゃ駄目ですけどね。
MOON CHILDみたいな。。。(笑)
お気に入り度 ★★★★★★★★★☆(9点)
(“結果”より“経過”を楽しむべき、かな)