いよいよ今日からモナコGPが開催されます。(他のレースにおける金曜セッションを木曜に実施)
モナコは、地中海に面し、三方をフランスに囲まれ、イタリア北部との国境にほど近い、世界で2番目に小さな国です。
モナコの景色 [wiki]
良いなあ、この景観…。この街中の一般道でレースが行われます。公道を用いるコースは他にもありますが、建物の間をかいくぐるように設置されるコースはF1においてモナコだけです。その独特の雰囲気から、毎年不動の人気を誇るグランプリとなります。
直線がほとんど無いほど曲がりくねっていて、F1でダントツの低速コースです。道路幅は狭く、抜きつ抜かれつのバトルは期待出来ません。抜きづらい上に、1周が約3キロと短く、その分周回遅れを上手くパスしていかなくてはいけません。両側ギリギリにガードレールが設置されていてエスケープゾーンがほとんど無いことから、ひとつトラブルや事故が起きれば大渋滞、中断することもしばしば。本来のレースとしての醍醐味は薄いです。
今は危険性の高いコースが淘汰されていく時代です。しかし、モナコでのレースはなくならないでしょう。先ほど書いた景観についてはもちろんのこと、ここでは他の開放的なコースでは見られない迫力が生まれます。普段簡単にコーナーを回っているように見えるF1マシンも、ここモナコではガードレールすれすれを曲がっていかなくてはいけません。F1ドライバーが普段どれだけ高度な技術を駆使しているのか、思い知らされる場所でもあります。
ちなみに、アグレッシブなドライビングスタイルの琢磨は、まだモナコで完走したことがありません。
ジョーダン・ホンダでデビューした2002年は、ペースの速いチームメイト(フィジケラ)に道を譲ろうとした際、時速約300キロでトンネル内の左側のコンクリートに激突。
2003年はBARホンダのテストドライバーだったので、レース出場はなし。
2004年は、あの皇帝シューマッハをビビらせるスーパースタート(実は若干フライングとの噂)を決めましたが…。エンジントラブルでペースが上がらず、後続の大渋滞を率いて数周し、トンネルを抜けた直後に凄まじい白煙を上げリタイア。後続車の視界の一切を遮り、フィジケラのマシンがクルサードのマシンに乗り上げ、飛び越えて、上下逆さまになって後続車の多重クラッシュを招くなど、散々な自体を引き起こしてしまいました。
そして2005年…。BARホンダのレギュレーション違反により出場停止処分。
最遅マシンに乗る2006年は、最も厳しいレースとなるでしょう。しかし、いつもとは異なるマシン特性が必要となるモナコは、ライバルチームに追いつくチャンスであるとも言えます。
実は現在、琢磨はモナコに住んでいます。日本、イギリスに次いで、第3の地元レースとなります。今年こそはと、期待してしまいます。まだ0歳の息子も応援してくれることでしょう。
私がF1カレンダーから絶対になくなって欲しくないコースが3つあります。
モナコ、オー・ルージュ(絶壁高速コーナー)を駆け上がることで有名なベルギーのスパ・フランコルシャン、そして本田宗一郎氏が創り上げた世界屈指のテクニカルコース鈴鹿サーキット。
来年は、モナコしか残らないかもしれないんですよね…。トヨタのせいで。
そういえば、北海道の小樽市がF1を誘致して、公道レースを開催しようとしていると、数年前から言われています。それには莫大な資金を必要となり、安全性が重視される現状で伝統の無い公道レースが開催される可能性など、1%も無いと思いますが…。地図を観ながらコースを想像するのも楽しいです。…ええ、どうせ私はF1ヲタですよ。