フラガール メモリアルBOX
数年前、エキストラ募集のポスターがあちらこちらに貼ってあって、何をまた胡散臭いものを撮ろうとしてるんだと思っていましたが…。どうせ常○興産の自己満足な宣伝映画になるのが関の山だと思っていたので、まさかこんなに話題になるほどの作品に仕上がるとは思いもよりませんでした。
DVDで初めて視聴しましたが、堅苦しいメッセージ性が含まれているわけでもなく、エンターテインメント色の強い作品でした。元々アカデミー賞を狙うような作品ではないですね。日本アカデミー賞は取りましたが。
しかし、気楽に楽しむことが目的なら、これほど相応しい作品はなかなか無いかと。
昭和の雰囲気の演出が見事で、人によっては懐かしさを覚えて、感情移入もしやすいでしょう。
ラストシーンなど、ダンスに全くと言っていいほど興味が無い私でも、見入ってしまったほどでした。今まで、ハワイアンズに行ってもフラダンスの良さなど全く理解出来ず、その代わりに火の付いた棒を振り回すパフォーマンス芸人を見て楽しんでいた私でも、です(笑)
この作品、Yahoo!のレビュー等を見ていると、「感動する」という評価が多いようです。号泣するようなものではないけど、静ちゃん絡みの話など、何度か涙腺が緩みかけました。
…少なくとも、超映画批評のレビューのような悪い印象は受けませんでした。
『フラガール』60点(100点満点中) [超映画批評]
「僕の彼女を紹介します」くらい酷ければ、前田さんの主張もまだ分かるのですが…。どうも「韓流」に結びつけようという意図的な趣旨が感じられてしまいます。韓流に、ね(笑)
描ききれぬキャラクターというのは、例えば高橋克実が演じた役柄などかな。
とある出来事に対してどう落とし前を付けたのか、消化不良気味です。
方言は、思ったより自然な印象を受けました。
ただ、実際のいわきのアクセントとは異なります。どちらかといえば、福島でももっと山の方かな……指導した方はそっちの方の人なのでしょうか。ま、そんな細かいことは映画の面白さには関係ないですね。失礼。おそらく気になるのは地元人だけ。序盤、岸辺一徳が怒鳴り散らすシーンは、私でも「何言っでっが分がんねw」
途中、親の都合で退場する役柄がいましたが…。日本の炭田は次々と閉山して行きますから、どこへ行こうと辛い運命を辿ることになるわけです。
よりにもよって夕張に行くとはなんと皮肉なことか…。
ちなみに、日本の発電のエネルギー源となる原料で最も大きいウェイトを占めるのは、原子力でも石油でもなく、いまだに石炭火力です。「汽車が電車となって石炭が不要になった」わけではなく、直接的に使用されることがなくなっただけ。電車そのものを形作る鉄を作る際にも、石炭は重要な役割を果たしていますよね。相次いだ炭鉱閉山は、需要減だけではなく、輸入石炭に対抗するコストの問題でもあったわけです。その辺が語られていなかった気がするので、勝手に補足。
常磐自動車道を走っていわき市に入ると、突然走行音がうるさくなります。アスファルトではなく、強度が高い特殊コンクリート舗装になるからです。炭鉱のおかげで、海に至るまで縦横無尽に穴だらけの土地柄ですから。何気なく、炭鉱の名残が残っているんですよ。良いことではないけど(^^;
この映画のおかげで、蒼井優の良さがちょっと分かった気がする…。
あ、それと、静ちゃんのパンチラは確かに全く色気がありませんでした(笑)
お気に入り度 ★★★★★★★★☆☆(8点)