ライオンハート
友人に何度か勧められて名前を覚えてしまった小説家、恩田陸さん。
ちょうど電車で読む本がなくなってしまったので、その著書を買ってみました。
時代を越えて何度も出会う、でもそれはいつも一瞬の出来事で、別離の瞬間からまた次の出会いに思いを馳せる、、といった短編集合的なストーリーです。そういう運命であると定められてしまっているので、ラブストーリーと言うにははとにかく淡白です。かと言ってからくりを解き明かすわけでもなく、ミステリーというジャンルにもあてはまりません。全体的に冗長で淡々としている印象を受けました。そう感じる時点で、私には合っていないのかもしれません。
でも、この作品だけで著者を判断するのは尚早でしょうね。実際、力量が伺われる興味深い話もありました。
「イヴァンチッツェの思い出」
「記憶」
この2つの話は結構好きなんです。
共通して言えることは、結末が意外だったということ。
わざわざストーリーに意外性を求めるというのは、私が乙一風味に毒されてしまっている証拠かもしれません(^^;
今度はその友人に乙一さんの小説を勧めてみようと思います。
お気に入り度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)