メンチ・哀愁の日記

〜なせばなる!

乙一の新作短編小説が公開中

オツイチ小説再生工場 乙一 [集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー]

「乙一作品を読む」をクリックすると、短編小説を読むことが出来ます。


これは、没小説を一般公募して、乙一がリメイクするという企画。リメイク対象作品に選ばれた場合、没小説の著作権は出版社(集英社)に譲渡されることになり、投稿者には対価も支払われない、という悪どい条件が以前話題になりました。乙一に自分の作品をいじってもらえるだけで幸せ、という人だけなら問題ないでしょうけどね…。

こんな企画をやるということは、乙一はもうネタが枯渇してるのでは、とも言われてました。「ネタ切れネタ切れって、ネタなんか最初からねーんだよ!」と叫んでいたのはどこのうすたさんだったか(笑)

実際、GOTHで売れてから、あまり作品を出してないんですよね。余裕を与えては駄目なタイプなのではないかと。かわりに映画作りにはまっているようですが…。小説家・乙一のファンとしては複雑な想いです。
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小説「狼と香辛料」(支倉凍砂著)感想

狼と香辛料 (電撃文庫)
狼と香辛料 (電撃文庫)
メディアワークス

一見、中世ファンタジーな世界観ですが、その世界では剣も魔法も重要な意味を持ちません。

物語のテーマは、「経済」。

行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが―。第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作。 (Amazon.co.jpより引用)



ヒロインの存在そのものがファンタジーなわけですが、その特殊な能力に頼って何をするでもなく、あくまで頭を使って真面目に経済を語り、マネーゲームを行う、そのギャップが面白いです。

経済の描写にリアリティがあるかというと…、物事はそう簡単に「確信」できるほど単純ではないでしょう。実際は、数え切れないほど多くの要素が複雑に絡み合ってくるものですし。分かりやすいのは良いんですけどね。


主人公とヒロインの掛け合い(というか駆け引き)も、この作品の魅力です。ヒロインあってこそ、相乗効果で作品全体の良さが引き出されるのでしょう。

つまり、ヒロインにはまれないようだと、ちょっときついかな。一応2巻まで持ってはいるのですが、後はアニメ版だけで済ませようかと。

小説にしかない良さもあるんですけどね。アニメ版で分かりづらかった点や、登場人物が何を考えていたのか等、小説版では詳しく描写されていたり。

お気に入り度 ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
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小説「とある飛空士への恋歌」(犬村小六著)感想

とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)
とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)
小学館

とある飛空士への追憶」発売から1年、“とある飛空士”新シリーズが始まりました。…シリーズです。追憶と違って、恋歌はこの1冊では完結しません。それどころか、序章中の序章でしかないかもしれません(笑)

したがって、全体としての評価はまだまだ出来ませんが、「ラピュタ」「フランス革命」「ロミオとジュリエット」、この辺のキーワードにピンと来る方なら、今1巻を読んでしまっても、2巻以降を楽しみに待てると思います。


恋歌の内容紹介。(ストーリーに関する大きなネタバレは控えます)

「これはきれいに飾り立てられた追放劇だ」

数万人もの市民に見送られ、盛大な出帆式典により旅立ちの時をむかえた空飛ぶ島、イスラ。
空の果てを見つけるため――その華やかな目的とは裏腹に、これは故郷に戻れる保証のない、
あてのない旅。式典を横目に飛空機エル・アルコンを操縦するカルエルは、6年前の「風の革命」により
すべてを失った元皇子。彼の目線は、イスラ管区長となった「風の革命」の旗印、
ニナ・ヴィエントに憎しみを持ってむけられていた……。
『とある飛空士への追憶』の世界を舞台に、恋と空戦の物語再び!! (Amazon.co.jpより引用)


追憶の世界を舞台に、と書かれてはいますが、追憶と恋歌は、舞台(国…というか地域?)も登場人物も異なります。まあ、追憶があれだけ見事な締め方をした後で続編を出されても…と危惧される方も多かったくらいなので、これで良かったと思います。ただし、大瀑布等の設定は引き継いでいるので、今後の展開次第では、追憶の世界や登場人物と絡んでくる可能性は否定できないです。

1巻を読んで気になった点。ヒロインの1人の名前が「クレア=クルス」なんです。追憶を読んだ方は、その響きに何か覚えがありませんか?

シャルルとファナが操っていた機体の愛称、サンタ=クルス。

偶然か意図的かは分かりませんが、今後の展開の予想を楽しくする材料にはなりそうです(笑)


ああ、早く続きが読みたい…。いつか、恋歌をTVアニメ化して、追憶を劇場でやってくれたら最高。

お気に入り度 ★★★★★★★☆☆☆(7点)


イメージ画に対して野暮なツッコミだと分かってはいますが…。イスラの幅は最短で9キロ。高度は(おそらく表層部で)2000メートル。表紙の、イスラと思われる浮遊物の下部は、どれだけの高さがあるのでしょうね。
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小説「俺の妹がこんなに可愛いわけがない 2巻」(伏見つかさ著)感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈2〉 (電撃文庫)
アスキーメディアワークス

さすがラノベと言ったところでしょうか、文章が読みやすいです。遅読な私でも3時間くらいですらすらと読み終えてしまいました。

今回は、兄妹が夏コミに初参加。そして、妹・桐乃に再びピンチが訪れます。

登場キャラが相変わらず良い味を出しているのですが…。ピンチの解決方法に、明らかに無理を感じてしまったのが残念。


前回も現実の個人ニュースサイトが出てきたりして話題になりましたが、今回はまさかの「カリビ○ンコム」が登場。伏字にはなってたけど、さすがにまずいんじゃないかなあ(笑) 何故その単語が出てきたのか、という点は、ストーリーのキーポイントになってたりします。


2巻発売から4ヶ月しかたってないのに、もう3巻が出たようです。ここでやめとくのが吉かもしれない…。マンネリ化も否めないし、このペースで刊行されて俺妹が本棚にずらりと並ぶ様を想像すると、さすがにぞっとします(笑) 先の展開、気にはなるんですけどね。沙織の正体とか。ここぞという場面で明かすんだろうなあ。

お気に入り度 ★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
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小説「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」(伏見つかさ著)感想

俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
アスキーメディアワークス

昨年、個人ニュースサイト巡りをしていたら、行く先々で絶賛されていて、気になっていました。そんなときに本屋で見かけて、思い切ってレジに持っていきました(笑)

盛大に勘違いされそうなタイトルですが、妹を恋愛対象にしたような話ではありません。そもそも主人公には彼女(相当の人)がいます。

では、どういう話かというと…。

俺の妹・高坂桐乃は、茶髪にピアスのいわゆるイマドキの女子中学生で、身内の俺が言うのもなんだが、かなりの美人ときたもんだ。けれど、コイツは兄の俺を平気で見下してくるし、俺もそんな態度が気にくわないので、ここ数年まともに口なんか交わしちゃいない。よく男友達からは羨ましがられるが、キレイな妹がいても、いいことなんて一つもないと声を大にして言いたいね(少なくとも俺にとっては)!だが俺はある日、妹の秘密に関わる超特大の地雷を踏んでしまう。まさかあの妹から“人生相談”をされる羽目になるとは―。 (Amazon.co.jpより引用)


どうせストーリーの最初に明かされることなのでネタバレしてしまいますが、その妹は隠れオタクだったんです(笑) “一般人”である兄とのやり取りが、コメディタッチに描かれています。そして、いずれ兄妹はオタクに対する偏見と対峙することに…。

なんといういか…オタクの叫びが詰まっています。「オタクをステレオタイプとしてしか見られない人間」をステレオタイプに描いて、木っ端微塵にやり込める爽快感、とでも言いましょうか…。あまり現実的な話ではありませんが、ま、創作物ですからね。それも良いでしょう。

オタク用語が本文中にさらっと出てきたりして、くすりと笑ってしまうこともありました。かーずSPだのアキバBlogだの、現実のウェブサイト名が出てきたりも(笑) 広告効果(話題性)も狙ってのことかもしれませんが、それで面白さが減るわけでもないので、問題はないと思います。


あまり深く考えずとも、単純に面白いです。そのうちアニメ化するでしょう。確実に。

お気に入り度 ★★★★★★☆☆☆☆(6点)


ちなみに絵師はこの方。

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小説「人類は衰退しました1・2」(田中ロミオ著)感想

人類は衰退しました (ガガガ文庫)
人類は衰退しました (ガガガ文庫)
小学館

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)
人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)
小学館

1・2巻、2冊まとめての感想を書きます。

著者の田中ロミオはゲームのシナリオライターとして有名。私も「CROSS†CHANNEL」と「家族計画」はプレイしたことがあります。どちらも、若干、感性が合わないなと感じる面はあれど、名作と言うに相応しい作品でした。

そんなライターの小説デビュー作品が、この、「人類は衰退しました」。

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。里の娘さんがたからは、先生と呼ばれたりもしてます(恥ずい)。「妖精社」製の妙な品々が里に出回るのと前後して、走るチキンを目撃してしまったわたしは、祖父と助手さんとともに「妖精社」の工場視察に向かったのですが…。数か月でクスノキの里を、世界一の妖精人口過密地帯にしてしまったわたしの出張報告とともに、クニクニどうぞ。 (Amazon.co.jpより引用)


絵本的というか、ある意味詩的というか…。ゆるい…。とてもゆるい…。ゆるいんだろうなとは思っていたけれど、想像を遥かに凌駕していました。CROSS†CHANNELのような構成力や、家族計画のような感動を期待しての購入でしたが、ゲームにおいて、合わないな、と感じていた部分が凝縮されてしまったような作風でした。ふわふわした薄い内容のまま2巻の終わりにたどり着いてしまって、一体何だったんだろうなあ、と。

読めば分かると思いますが、嫌いになれるような作品ではないです。妖精さんの言葉や行動のユニークさは、他の小説家にはなかなか出せない味でしょう。しかし、積極的に読みたいと思える作品でもないんです。現在4巻まで発売されていますが、私は2巻で打ち止めにします。

この本に興味を持ったそもそものきっかけは、巡回サイトの各所で好評だったことですが…。求めるものが異なれば、評価も大きく変わることを思い知りました。

お気に入り度 ★★★★☆☆☆☆☆☆(4点)
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乙一(GOTH)新作

GOTH  モリノヨル
GOTH モリノヨル
角川グループパブリッシング

なんだろ、これ…。12月17日発売。100枚ほど新作が書いてあるそうです。

GOTHはもう文庫化してしまったし、映画公開に合わせて儲けるためでしょうか。…肝心の映画の評判はいまいちですが(笑) 黒乙一の映像化はかなり難しいと思います。少ない白乙一要素をどう生かすかが勝負で…。
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ケータイ小説

ケータイ小説野いちご

なんという可愛らしいプロフィールw










瀬戸内寂聴ですけど
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「イキガミ」と「生活維持省」

「イキガミ」という漫画が、ショートショート小説という分野を開拓した星新一氏の名作「生活維持省」を盗作したのではないか、と話題になっています。仮にアイデアを盗用したとしてもストーリーがオリジナルならば、法的に問題があるかどうかの判断は難しいと思います。それでも、実際に設定を利用したなら、原作者に対する敬意だけは忘れないで欲しいですが…。私は「イキガミ」を知りませんし何とも言えません。

ちなみに星新一氏の「生活維持省」ですが、遺族によって、今だけ公開されています。数分で読めるので是非。

星新一公式サイト-生活維持省-

ショートショートだからこその名作でしょう。一気に風呂敷を広げて、一気に落とす。…もしこの設定で延々とやられたら、その矛盾が気になって、読者に良い印象を与えることはないと思います。今の日本人の価値観では絶対に許されないことですから。
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「とある飛空士への追憶」続編が出るらしい

応援してくださる皆さんへ「ありがとう!!」 [ガガガ編集部ログ]

ええー…。嬉しさと不安が同時に押し寄せてきました。
素晴らしい作品ではあるけども、そのまま続編ということになると、前作の感動(余韻)が台無しになる可能性もあるので…。

世界観を共有した、別の人の話になるのかな…。


とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
小学館
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