とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)
小学館
「
とある飛空士への追憶」発売から1年、“とある飛空士”新シリーズが始まりました。…シリーズです。追憶と違って、恋歌はこの1冊では完結しません。それどころか、序章中の序章でしかないかもしれません(笑)
したがって、全体としての評価はまだまだ出来ませんが、「ラピュタ」「フランス革命」「ロミオとジュリエット」、この辺のキーワードにピンと来る方なら、今1巻を読んでしまっても、2巻以降を楽しみに待てると思います。
恋歌の内容紹介。(ストーリーに関する大きなネタバレは控えます)
「これはきれいに飾り立てられた追放劇だ」
数万人もの市民に見送られ、盛大な出帆式典により旅立ちの時をむかえた空飛ぶ島、イスラ。
空の果てを見つけるため――その華やかな目的とは裏腹に、これは故郷に戻れる保証のない、
あてのない旅。式典を横目に飛空機エル・アルコンを操縦するカルエルは、6年前の「風の革命」により
すべてを失った元皇子。彼の目線は、イスラ管区長となった「風の革命」の旗印、
ニナ・ヴィエントに憎しみを持ってむけられていた……。
『とある飛空士への追憶』の世界を舞台に、恋と空戦の物語再び!! (Amazon.co.jpより引用)
追憶の世界を舞台に、と書かれてはいますが、追憶と恋歌は、舞台(国…というか地域?)も登場人物も異なります。まあ、追憶があれだけ見事な締め方をした後で続編を出されても…と危惧される方も多かったくらいなので、これで良かったと思います。ただし、大瀑布等の設定は引き継いでいるので、今後の展開次第では、追憶の世界や登場人物と絡んでくる可能性は否定できないです。
1巻を読んで気になった点。ヒロインの1人の名前が「クレア=クルス」なんです。追憶を読んだ方は、その響きに何か覚えがありませんか?
シャルルとファナが操っていた機体の愛称、サンタ=クルス。
偶然か意図的かは分かりませんが、今後の展開の予想を楽しくする材料にはなりそうです(笑)
ああ、早く続きが読みたい…。いつか、恋歌をTVアニメ化して、追憶を劇場でやってくれたら最高。
お気に入り度 ★★★★★★★☆☆☆(7点)
イメージ画に対して野暮なツッコミだと分かってはいますが…。イスラの幅は最短で9キロ。高度は(おそらく表層部で)2000メートル。表紙の、イスラと思われる浮遊物の下部は、どれだけの高さがあるのでしょうね。