メンチ・哀愁の日記

〜なせばなる!

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2007年F1第15戦日本GP 決勝

初開催の富士をハミルトンが制す! [F1-LIVE.com]

土曜日の帰り、雨の中何時間も寒さに耐えていたバス待ち難民に、トヨタ(富士スピードウェイ)が飲み物を配給したそうです。

冷たい飲み物を。

それしか無かったんでしょうけど…。その行為は、体だけではなく、きっと心の芯まで冷やすものだったでしょう…。

トヨタは、鈴鹿から日本GPを奪って、富士で開催させました。観客を納得させるためには、なんとしても鈴鹿以上の運営能力を見せなければなりませんでした。それが、蓋を開けてみれば……。

F1 日本グランプリ in 富士スピードウェイ 2日目:地獄絵図 [[の] のまのしわざ]

こちらで、惨状が動画付きで紹介されていました。

バス待ちで体力を削られている人たちがいる中、救護所を定時で閉めたとか……ありえないです。(まあ、F1観戦はアクセスの良い鈴鹿であろうと体力勝負なのだから、妊婦の件に関してはそもそも行くなとも思いますが…)

また、応援幕禁止ルールで琢磨応援の横断幕等を容赦なく取り払った分際で、トヨタの応援席では超巨大トヨタ応援幕が掲げられるなど、目に余る身勝手さが目立ちました。

他にも、河村隆一の国歌斉唱中(盛り上げる演出はダメダメだったけど歌自体は思ったよりマシだった)に、某チームがエンジンをかけるという暴挙を許してしまいました。観客が起立しないくらいは別に構わない(強制されるべきではない)と思いますが、少なくとも関係者は開催国に対して敬意を表するべきです。

…ちなみに、そのふざけたチームは、、もちろんトヨタです(笑) もし演出のつもりだったのだとしても、非常識行為として受け取られてしまえばそれまでです。


で、今回のGP運営は成功したと、どっかのカスチームのお偉いさんがのたまっています。シャトルバスの効率の悪さが原因で決勝に間に合わなかった人たちもいるというのに。そういった不満は上層部には伝わらない体質なのでしょうか。少なくとも、まともな感覚を持っているならば、被害者の神経を逆撫でするような発言は出来ないはずです。何故、自分達に人気が無いのか、きっと内部からは想像もできないのでしょうね。


このお粗末運営を目の当たりにし、トヨタが好きだった、あるいは興味がないだけで嫌いでもなかった人たちは、かなりの割合でアンチ・トヨタ化したことでしょう。そんな人たちの想いはひとつ。

日本GPを、鈴鹿に返せ!


レースは富士名物の雨の中セーフティーカー先導でスタート。状況は好転せず、ひたすらのろのろ運転で放送事故状態。約40分経過し、19周目にようやくセーフティーカーがアウトし、ローリングスタート。もし先導されたままレースが終わっていたら、伝説的な悪評GPになっていたはずなので、ネタ的にはちょっと残念ではありましたが(笑)

再開後は当然クラッシュ続出。たまに水煙しか見えないオンボード映像が映されますが、ドライバーの視点はそれより酷いらしいです。前の車どころか、コーナーの位置も素人には把握できません。F1ドライバーがいかに神業的な技術を駆使しているか、よく分かる瞬間です。しかし、それでも事故は確実に起こります。誰も怪我しなかったのは奇跡といっても良いほど。どんな根拠を持ってレースを再開させたのか、今でもちょっと不思議です。観客の不満を消すためにドライバーの命を過度の危険にさらすことなど、決してあってはなりません。しかし、太田哲也氏の例もある富士ですから、色々と勘繰られてしまうのも仕方のないことかと。

結果的には、雨ならではの攻防が展開され、かなり面白いレースでした。ただ、シーズンを通して積み重ねられてきたタイトル争いを見る上での楽しみは、運の要素が大きく加わってしまい、台無しになってしまったように思います。ドライでのフェラーリの実力が見たかった…。

あと、フジテレビの放映でどうしても気に入らなかった点がひとつ。木村拓哉は何故出てきたのですか。トヨタの回し者&映画の宣伝だということは分かりきっているけれど。どうでもいい感想をレース中に喋りすぎです。話を振る方も振る方だけど…。感想なんか、レース後にちょこっと言えば十分でしょう…。皆、技術的な解説が聞きたい場面で、まとめられもしない薄っぺらな言葉を無理やり並べ立てるだけで…。はっきり言って邪魔でした。別にジャニーズやキムタクが嫌いとか、そういうのじゃないですよ。ただ、同じ立場に堂本光一がいたら、全然違ったコメントが聞けたと思います。適材適所というもので。金をかければいいってものじゃないんだよ、トヨタさん。



レースはハミルトンが優勝。クビサとの接触で一度ひやっとしましたが、それ以外は文句の付けようがない完璧な走りでした。これでアロンソとは12ポイント差。年間チャンピオンをほぼ手中に収めました。残り2戦、両方リタイアでもしない限り、まず間違いなくタイトルを獲得します。

ハミルトンの実力は本物です。それは疑いようがありません。ただ、今、ハミルトンが初めての黒人ドライバーということもあって、何か言いたいことがあっても皆遠慮してしまうような状況なんです。下手すれば差別発言とメディアに受け取られて自身を貶めかねませんから。実際、オーバーテイク時などの強引さが目立っても、あまり周囲から咎められることがありません。もしこのまま楽にチャンピオンになってしまうと、ハミルトンにその意思はなくとも、天狗状態になってしまうのではないかと、、それを恐れています。その点アロンソはいやらしく文句を突きつけるので、まるでヒールのように扱われていますが(笑) なんともまあ、F1らしい男です。

アロンソはミスを連発し、壁にクラッシュしてリタイア。琢磨に抜かれたカナダGPを思い起こさせる、焦りの走りでした。ここからハミルトンを逆転するためには…。まず中国かブラジルのどちらかでハミルトンがリタイアするとして、アロンソはそのレースで優勝。これで勝ち数を1つ上回って2ポイント差になります。で、もうひとつのレースでフェラーリ勢を優勝させ、自身はハミルトンのひとつ上でフィニッシュ。このあたりが現実的でしょうか。何にしても、ハミルトンのリタイアに期待しなくてはいけなくなりました。マクラーレン内の空気は悪化する一方でしょう。


フェラーリは、全車エクストリーム・ウェットタイヤを装着するよう指示が出ていたスタートで、何故かウェットタイヤを装着。原因は伝達ミス(FIAによるメールの遅延、責任の所在は未確定)だそうです。それでタイヤ交換せざるを得なくなり、ピットインして2台ともほぼ最後方に。この時点でかなり不利になりました。その後、どうせ後方だからと、またピットインして燃料補給。そこでラストまでの燃料を積んでおけばよかったものを…。レース再開後順位を上げていったものの、再びのピットインで順位を大きく落とし、ライコネンは3位、マッサは6位に入るのがやっとでした。

ライコネンは厳しい状況の中オーバーテイクを繰り返し、表彰台に乗っただけでも凄いのですが、タイトル争いでは致命傷を負ってしまいました。ハミルトンとは17ポイント、アロンソとは5ポイントの差があります。ハミルトンの2連続リタイアに期待するのは難しいですが、何としても残り2戦を優勝し、年間最多勝を獲得して意地を見せて欲しいです。実際、中国とブラジルでは最も優勝に近い位置にいます。

マッサは最終周回のダンロップからフィニッシュラインまで、クビサと押し出し合いのバトル。何と最後はコースアウトしながらクビサの前に戻るという(笑) 改修でコース外が整備された富士ならではの激戦でした。観客も、最後に良いものが見られたのではないでしょうか。


2位にはコバライネンが入りました。前半戦は更迭も噂されるほど酷い走りが目立ちましたが、後半戦で持ち直してきて、ポイントでチームメイトのフィジケラを逆転。そして今回、予選Q2落ちで燃料を大量に積めたことが幸いして順位を上げ、さらに実力でライコネンを抑えきっての初・表彰台獲得でした。仮にも2年連続チャンピオンチームのルノーですから、来年持ち直せばハミルトンとも良い勝負を演じてくれるでしょう。…せっかくの記念なんだから、スタッフはシャンパンの瓶をちゃんと受け取ってあげないと(笑)


荒れた展開の中、なんとスパイカーのスーティルが9位に。そして、8位のリウッツィが(本当に黄旗区間だったかは怪しいけど)黄旗無視ペナルティを受け降格。スーティルが、なんと1ポイントを獲得してしまいました(笑) 快挙です。スパイカーは今季後半、去年のスーパーアグリ以上の活躍を見せています。これでも、スーティルを拾うチームはいないのでしょうか…。


ベッテルは一時3位を走行し、最年少表彰台も夢ではない位置を走っていたのですが、セーフティーカー中にウェバーに追突、レースを無駄にしてしまいました。ハミルトンの減速を引き金に、ウェバーも減速せざるをえず、ベッテルは視界不良で突っ込んでしまったのでしょう。ほとんど前が見えない状況で加減速を繰り返すハミルトンにも問題があるとは思いますが、タイヤやブレーキのことを考えると難しいですね…。ピットで落ち込むベッテルの姿が印象的でした。

一方、ウェバーはステアリングを放り投げ、怒りが収まらない様子でした。でも、リタイア時はステアリングを装着しなおしてからマシンを離れないと、正当な理由がない限りペナルティを受けることになってしまうんですよね。あとから渋々拾って装着した姿を想像すると笑えます。


日本勢は、ホンダ、トヨタ、日本人ドライバー全てがポイント獲得ならず。

特にトヨタにとっては悔しいレースとなったでしょう。F1界最多の予算をチームに送り込む上層部も、この結果には納得できないはず。いっそ撤退してしまえばいいのに…。

左近は最下位スタートから、ねばりの走りで自己最高の12位フィニッシュ。スーティルの活躍のせいで影が薄くなってしまいましたが、トヨタを抑えているのだから立派です。特にここでは大きな意味を持ちます(笑)

琢磨は完走しましたが、どうしても歯車がかみ合わない展開で、完走車中最下位の15位でした。またリタイアしてしまったデビッドソンよりはマシかもしれませんが。カナダGPまでの栄光はどこへやら…。悔しいでしょうね。どんな形で日本に戻ってくるか分からないけれど、来年こそは…。


次戦は今週末、中国GPです。日本とあまり時差がないのに、地上派放送は夜なので、それまで結果を知らないようにするのは難しいです。LT観戦が無難かな…。




どうでもいいけど、地震ビックリしただろうなあ、F1関係者(笑)
ピタリ賞。最後までネタを提供してくれる富士は見事。
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Comments

ごっち | 2007/10/01 11:07 AM
もうTOYOTAの車は乗りません・・by隆一ファン!

モンクレール ダウン | 2012/10/14 09:02 AM
お世話になります。とても良い記事ですね。

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