アロンソが2年ぶりのポール! レッドブルが2-3 [F1-LIVE.com]
ハンガリーGP予選後のマシン重量 [F1-LIVE.com]
F1ハンガリーGPが開幕しました。開催するハンガロリンクは、F1においてモナコに次ぐ低速コース。オーバーテイクが非常に難しいため、戦略が重要な意味を持ちます。その駆け引きを楽しめないと、退屈なレースに見えてしまうかもしれません。
■ルノー(KERS非搭載)
アロンソがポールポジション。ピケJr.15番手スタート。
アロンソのPP獲得はマクラーレン時代以来2年ぶり。ルノーにとっても、アロンソが在籍していた2006年以来でしょうか。アロンソは軽タンで、おそらく3ストップ作戦。オーソドックスな作戦でこそ真価を発揮すると思ってますが、ポールとなれば話は別。1回目のピットストップ後に8番手あたりで戻ってこれたら面白いことになります。上位をかき回してくれるでしょう。目標は4位入賞あたりでしょうか。
ピケJr.は既に解雇が決まっているとの噂。ブリアトーレのことだから信憑性は低いですが、乗り続けるにしろ降りるにしろ、今後のレース人生を考えると、なんとしても結果を出しておく必要があります。そのプレッシャーの中で、アロンソを上回るQ1の走りは見事でした。しかしQ2ではトラフィックの影響か、そのタイムを更新出来ず最下位。「不運」が言い訳とならない状況で、厳しい戦いを強いられます。
■レッドブル(KERS非搭載)
ベッテル2番手スタート。ウェバー3番手スタート。
ここでも速い…。レッドブルは今後、常に優勝候補1番手として君臨しそうです。ベッテルは今回の優勝最有力候補。ウェバーも、1〜2周分軽いですが、汚れている偶数グリッドでベッテルがもたつく間に前に出られればチャンスはあります。軽いアロンソはまあいいとして、気になるのは後続。KERS勢に前に出られると、ここでは抜けません。スタートから1コーナまでの距離が若干短いのは好材料ですが…。
■マクラーレン(KERS搭載)
ハミルトン4番手スタート。コバライネン6番手スタート。
今季のマクラーレンが活躍できる場所は、こういった特殊なコースしかありません。そこで2人とも上位グリッドを獲得。このチャンスを逃すと後が辛いです。KERSのロケットスタートで2番手まで上がれたら最高ですが、2人とも偶数グリッド。その不利を打ち消す程度で1コーナーに到達してしまうかもしれません。
燃料搭載量は、ハミルトンは若干軽め。コバライネンはベッテルと同程度です。
■ウィリアムズ(KERS非搭載)
ロズベルグ5番手スタート。中嶋一貴9番手スタート。
ロズベルグのQ2落ちは前戦の1回限り。再びQ3に舞い戻ってきました。スタートの位置より順位を落とさずにフィニッシュできれば上出来でしょう。
中嶋一貴は今季3度目のQ3進出。特にQ2では素晴らしい走りでした。Q3では実質最下位でしたが、上位より1〜2周分多い燃料を生かして、1つでも順位を上げたいところです。予選ではある程度評価されるようになってきましたが、ポイント獲得という結果を、きちんと伴わせないと、ね…。そのためにも、スタートで後ろの重タン組(ブエミやトゥルーリ)をきっちりブロックすることが大事です。抜かれたら終わります(笑)
■フェラーリ(KERS搭載)
ライコネン7番手スタート。マッサ10番手スタート。
…とはいえ、マッサは出場しません。グリッドは空いたままでしょう。
マッサは、Q2の走行中に突然意識を失い、コースアウトしてタイヤバリアに激突。そのままマシンから降りてきませんでした。後に、バリチェロのリアサスから外れたスプリング(800グラム)が、280キロで走行中のマッサのヘルメットに直撃していたことが判明。救出され、救急車で運ばれる約20分間、ピクリとも動かず、最悪の事態も考えられました。
先週F2で、クラッシュしたマシンから外れたタイヤが走行中のヘンリー・サーティースのヘルメットを直撃、そのままコースアウト&クラッシュして死亡するという事故が起きたばかりでした。…不幸の連鎖を嘆きながら画面を見つめていたその時、マッサが片手を大きく挙げました…。
マッサの症状は、左目と眉の間に裂傷があり、頭蓋骨損傷、そして脳に出血が見られるとのことでした。手術は成功し、安定はしているものの、脳の腫れなどもあって予断を許さないようです。おそらく、これから3〜4日くらいが山かと。場所が場所だけに視神経への影響を考えてしまいますが、まずは命…。マッサは、11月に子供が生まれることを公表したばかり。こんなところで命を落とすわけにはいきません。回復を祈ってます。
ライコネンは7番手。燃料は軽めで、戦略的に厳しいですが、唯一の「KERS搭載かつ奇数グリッド」なマシンとして、好スタートに期待が集まります。もっとも、フェラーリは今、あまりレースに集中できる状況ではないかもしれません。精神的に。
■ブラウンGP(KERS非搭載)
バトン8番手スタート。バリチェロ13番手スタート。
チームだけで上から順に見ていくと、ブラウンはなんと6番目。真ん中より下位(笑) 序盤戦は、いつか失速すると言い続けてきたけど、ひょっとしてこのままチャンピオン取れるんじゃ……と期待させたところで、この体たらく。これがスパあたりなら話は分かるんだけど、ここでこの順位は、この先厳しいです。
バトンは他の上位勢より10キロ以上多く燃料を積んでいます。最初からその戦略を狙ったというより、バリチェロが脱落させたスプリングと同じ部品を念のために交換しようと、Q3開始後もしばらくピットに留まったことで、そうなってしまったようです。しかし、既に8番手グリッドが確定している状況では、その若干の重タンが好材料。もしスタートでKERS勢がレッドブルの2台の前に出て、1stスティントで抑え続け、バトンまでほぼ差がなく車列をなしていたとしたら…。4周分以上多く積んでいるバトンなら、優勝も不可能ではないと思います(笑) …実際そう上手くはいかないだろうけど、表彰台は狙えます。1ポイントでも多く獲得して、リードを保っていかなければなりません。
それと、偶数グリッドなので、前ばかり見ていると足元をすくわれかねません。中嶋一貴に抜かれると厄介なことになります。
バリチェロは前途した通り、Q2でリアサスにトラブルが出て、Q3に進出できませんでした。全車中最重量でのスタート。その試みは面白いですが、グリッドにつけるのか、ピットからのスタートになるのかも分かりません。それに、バリチェロやチームが今回望んでいるのは結果ではなく、何よりもマッサの回復でしょう。
■トロ・ロッソ(KERS非搭載)
ブエミ11番手スタート。アルグエルスアリ20番手スタート。
解雇されたボーデに代わってシートに座ることになった、19歳のF1史上最年少ドライバー、ハイメ・アルグエルスアリ。マシンの性能差に慣れの差も加わって、二日間ブエミから圧倒されてしまいました。予選ではトラブルで最下位になったとのことですが……おそらくトラブルフリーだったとしても……(笑)
ブエミはなんと11番手。トロ・ロッソの躍進には正直驚きました。元々地力のあるシャシーではありますが(笑) 重めの燃料で久々のポイント獲得を狙います。
■トヨタ(KERS非搭載)
トゥルーリ12番手スタート。グロック14番手スタート。
予選番長のトゥルーリですが、わずかの差でQ3進出を逃しました。燃料搭載量はブエミとほぼ同等。終盤までブエミとの争いになりそうです。
重タンで好結果を残すのが定番となっているグロックは、トゥルーリより4周分程度重め。トヨタ同士の戦いも面白そうです。
■BMW(KERS非搭載)
ハイドフェルド16番手スタート。クビサ19番手スタート。
調子を取り戻しつつあったBMWとしては屈辱的な結果です。後方のマシンとしては、あまり燃料を積んでいませんが、大丈夫でしょうか。抜けないコースで、セオリーを外して好結果を狙うには……セーフティーカーでも出てくれないと…。
■フォース・インディア(KERS非搭載)
フィジケラ17番手スタート。スーティル18番手スタート。
フィジケラはここ2戦、ポイント獲得まであと一歩という位置まで持ってきています。重タンでどう勝負するか楽しみです。
スーティルは午前のフリー走行での事故の影響で、準備万端のアタックは出来ませんでした。前戦で予選5番手を記録するなど、その活躍が目立っている印象ですが、決勝ではほとんどフィジケラには勝っていません。フィジケラを攻略できるかに注目してみると面白いかもしれません。
決勝は日本時間21時から。地上波放映はいつも通り、フジテレビにて23時50分からです。